デジタルを活用した探究的学習支援・DXハイスクール推進事業
文部科学省は、全国の高校の中でおおよそ2〜3割にあたる約1000校以上を「DXハイスクール」に指定する計画を進行中です。
これらの学校は、デジタル教育の中心地として位置づけられ、文理融合型の探究学習とデジタル人材の育成に重点を置いています。経済産業省の発表によると2030年までに国内でデジタル人材が約79万人不足する見込みであり、これからのデジタル社会を支えるため、大学入学前からの教育が強化される方針が採用されています。
この取り組みにおいて、株式会社IRODORIはワガママLabプログラムの提供を通じて「DXハイスクール」の推進を支援します。
デジタルを活用した探究的な学びの実現
これまでの探究学習では、地域課題を解決するための解決策を考えても、生徒たちが実際にできることが限られており発表して終わりとなってしまいがちでした。
ワガママLabではマサチューセッツ工科大学が提供するソフトウェア「MIT App Inventor」を活用し、地域の課題を解決するアプリづくりまで実施します。直観的かつ視覚的なプログラミング環境が整えられており、中高生も簡単にAndroidやiOSのスマートフォンやタブレットで使えるアプリをつくることができます。
地域の現状を深掘りし、課題を可視化し解決策を模索する探究的な学びを実践しながら、解決策の一つとしてMIT App Inventorを活用します。そして、地域に存在する資本に着目しながら、地域全体で高校生と共に地域課題への挑戦、そして新しい仕組みを創造していきます。
生徒たちの主体性を引き出し、地域をフィールドに実践を行うカリキュラム
生徒たちの興味関心を引き出すための動機づけをはじめ知識の提供、地域をフィールドに探究学習を実践できる機会をつくります。
世界の潮流であるサステナビリティから日本の課題である人口減少・高齢少子化、ローカルな地域課題を体系的に学びます。そうした全体像を学んだうえで、自分たちの身近な“たったひとり”の課題を定義し、深掘りをしていきます。そこで見えてきた課題を解決するためのスマートフォンアプリ開発を通して、具体的な手段やアクションに落とし込むまでのプロセスを習得します。このプログラム自体がSTEAM教育等の分離横断的な学びの機会となります。
1)課題の設定
最初にインプットを行います。日本の現状、社会課題・地方創生への理解、地域課題を学び、課題を設定します。
- SDGsや国家施策のSociety5.0などの概念を学び、社会変容の動向について理解する
- データで地域課題を把握する
2)情報の収集
地域課題解決のために必要な思考アプローチに基づいて情報を収集します。
- デザイン思考やシステム思考のフレームを活用し、地域で起きていることを整理する
- 地域の方へのヒアリングを通じて可視化した地域課題を整理して解決すべき課題を定義する
3)整理・分析
アプリ開発を通して地域課題を解決していく手法を分析・実践します。
- スマートフォンアプリ開発(MIT App Inventor)の活用方法を学ぶ
- 自らがスマートフォンアプリを開発して地域課題を解決していくプロセスを学び、分析し実践につなげる
4)まとめ・表現
課題設定からアプリ開発の解決策について発表します。
- 自ら問題意識のもとに設定した課題からアプリ開発までの流れを論理的に表現する
- 今回のプログラムを体験した学びを深め、今後のキャリアや地域に貢献するための方向性を探る
地域課題を解決するアプリ開発のプロセス
コンピュテーショナル・シンキングを学びながら、地域課題を解決するスマートフォンアプリの開発を行います。
地域の課題に触れながら、解決策まで落とし込むことで、高校生たちが今後地域課題に挑戦したいというモチベーションを持ってもらうと同時に、高校生たちが継続的に地域課題に取り組み続ける仕組みをつくります。
1)課題の設定
世の中の流れや地域を知り、自分自身に向き合いながら解決したい地域課題を設定します。
2)情報の収集
設定した地域課題に対して「誰の」「どんな課題を解決したいのか」を深く考えていきます。
自分達ではなんとかできないと思うような壮大な地域課題の解決も、たったひとりの困っているシーンをイメージして解決策を導きます。ペルソナをイメージするワークショップやアプリ設計シートを使ったり、取材を行ったりしながら情報を収集・整理をしていきます。
3)整理・分析
課題を解決したい”たったひとり”の困りごとを整理・分析し、アプリ開発をしていきます。
実際にMIT App Inventorを使って開発したアプリをいろいろな人に使用してもらい、課題が解決に向かっているかを確認しながら考えを深めていきます。
例えば、茨城県鉾田市で実施したほこたワガママLabでは、市内出身の高校生・大学生・大学院生たちが3つのチームに分かれて「誰のどんな課題を解決するのか」「なぜ自分たちがやるのか」「どうやってこのアプリで解決するのか」を考えてアプリの制作に取り組みました。
鉾田市で実施したプログラムの活動報告会「ほこたWagamama Awards」の記事がこちら
4)まとめ・表現
課題設定からアプリ開発に至るまでの一連の思考や実践のプロセスを発表し、未来の展望まで地域に提案します。
アプリの機能の充実度ではなく、たったひとりのイメージを深めながらつくった過程を大切にします。地元で暮らしているからこそできるアプローチもあります。その後のアプリの地域への波及についても考えてもらい提案を行います。
指導者研修や運営支援を提供
一連のワガママLabプログラムを実施することができる指導者の育成も行なっています。研修をはじめ、運営支援なども実施しており、各種ニーズに合わせてプログラムを実施いたします。
お気軽にお問い合わせください。
若者が地元でチャレンジできる環境をつくる
全国でワガママLabの活動をする同年代と繋がりを持つこと、さらに、MIT App Inventorを開発するアメリカ・ボストンのチームと繋がりをもつことで地域課題に取り組む若者がよりモチベーション高く活動をしていくことができると考えております。
若者が自ら主体的にチャレンジできる環境づくりのために、各種プログラムを提供しています。
プログラム例
- 地域の課題を解決する挑戦を讃えあう1年に1度のコンテスト「Japan Wagamama Awards」への参加
- App Inventor財団が主催する世界大会エントリーへの協力
- ボストンの開発チームと連携したプログラム
- 地域の団体と連携したプログラム提供
- ワガママLabプログラム指導者として育成・活動支援
wagamama Lab