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2026年6月22日

#Report

【イベントレポート】制度だけでは届かない人に、どう関わるか。柏社協が実践する「ワガママ」から始まる福祉とまちづくり

孤独・孤立、制度の狭間にある困りごと、地域とのつながりの希薄化。
社会福祉協議会、地域包括支援センター、自治体、介護・福祉の現場では、制度やサービスだけでは届きにくい人との関わり方が大きな課題になっています。

特に、地域共生社会の実現や重層的支援体制整備事業を進めるうえでは、福祉の専門職だけで支援を完結させるのではなく、地域の人・団体・企業・学校・若者など、多様な主体とつながりながら「参加支援」をつくっていくことが求められています。
では、制度につながりにくい人や、支援を受けることに抵抗がある人と、地域はどのように関係をつくればよいのでしょうか。

今回のオンラインイベントでは、柏市社会福祉協議会が取り組む「柏ワガママLab」の実践をもとに、参加支援とまちづくりをつなぐ地域福祉のあり方について考えました。

▼ アーカイブ動画はこちら▼

柏ワガママLabとは

柏ワガママLabは、柏市社会福祉協議会が進める、福祉とまちづくりをつなぐ参加支援の実践です。

令和5年よりIRODORIと共にワガママLabの取り組みを開始。
孤独・孤立などの生きづらさを抱える方々に対して、人や社会とのつながりを生み出す伴走支援に取り組んでいます。
現在では、100を超える個人・団体と連携しながら、年間300以上のイベントや居場所づくりを展開しています。

一人ひとりの「やってみたい」「本当はこうしたい」「あきらめていたけれど、できたらうれしい」という願いを起点に、地域の人や団体が関わり、社会参加の機会をつくっていきます。

特徴は、困りごとや課題だけを見るのではなく、その人の中にある可能性に目を向けることです。

支援が必要な人を「支援対象者」するのではなく、その人の興味や関心を出発点にすることで、本人が地域の中で役割を持ち、誰かとつながるきっかけが生まれていきます。

▶︎ 柏ワガママLab HP :https://kashiwa-shakyo.com/pages/242

実践事例:10代の女の子の「文化祭をやってみたい」から始まった時間

イベントでは、柏ワガママLabの象徴的な実践として、ある10代の若者の事例が紹介されました。

家庭環境などの事情により、これまで文化祭を経験する機会がなかったその若者が、ワガママ会議の中で「文化祭をやってみたい」と言葉にしました。
その一言を聞いた周囲の大人や学生たちが、「それならやろう」と動き出し、本人は実行委員長として文化祭づくりに関わることになりました。

これは、単なるイベント開催ではありません。

制度的な支援だけでは届きにくかった人が、自分の願いを言葉にし、地域の人たちと一緒に形にしていく。
そのプロセスは、本人の社会参加を生み出す参加支援であり、福祉とまちづくりをつなぐ実践として捉えることができます。

支援する人、支援される人という関係を超えて、ひとりの「やってみたい」から地域の人が動き出す。
柏ワガママLabの実践には、そんな関わり方のヒントがありました。

「温かいおむすびを食べてほしい」から、地域との接点をつくる

もう一つ印象的だったのが、「おむすびの会」のエピソードです。

きっかけは、ある職員の方の「温かいご飯を一口でも食べてほしい」という思いでした。
制度や支援につながりにくい方に対して、どうすれば自然な接点をつくれるのか。
その問いから、オープンスペースでおむすびを振る舞う場が生まれました。

すると、当初想定していた人だけでなく、学生やシニア、地域の団体など、さまざまな人が関わる場へと広がっていきます。
この広がりについて、登壇者の岩田さんは「洗濯機理論」という言葉で表現していました。

ひとりの思いから始まった場に、人が集まり、混ざり合い、思いがけないつながりが生まれていく。
最初に想定していた支援の形とは違っても、その場があることで、別の誰かの困りごとや願いが見えてくる。

福祉の入口は、必ずしも相談窓口や制度の中だけにあるわけではありません。

おむすびを一緒に食べること、誰かと同じ場にいること、そこから会話が生まれること。
そうした日常の中にも、人と社会がつながる入口があることを教えてくれる実践でした。

福祉の新たなアプローチへ、課題ではなく可能性に焦点を当てる

イベントの中では、柏市社協の皆さん自身の視点が変化していったことも語られました。

以前は、相談に来る人を「支援が必要な人」「課題を抱えた人」として見ていた部分があったといいます。
しかし、ワガママLabの実践を重ねる中で、その人の困りごとだけではなく、好きなこと、得意なこと、やってみたいことに目を向けるようになっていきました。

人を「支援対象者」としてだけ見るのではなく、その人の中にある願いや可能性にスポットを当てる。
この視点の変化によって、職員の関わり方も、地域の人との関係性も少しずつ変わっていきます。

福祉や医療、地域活動の現場では、どうしても「課題を解決する」「支援につなげる」という発想が先に立ちます。
もちろん、それは欠かせない視点です。
ただ、制度やサービスの入口に届いていない人に対しては、「何に困っているか」だけでは関係が始まりにくいこともあります。

「本当はどんなことをしてみたいのか」
「どんなことに心が動くのか」
「誰と、どんな時間を過ごせたらうれしいのか」

そうした本人の中にある小さな願いやワクワクから始めることが、関わりの入口になるのかもしれません。

アーカイブ動画では、実践の裏側を詳しくご覧いただけます

本レポートで紹介したのは、イベント内容の一部です。

アーカイブ動画では、柏社協の皆さんが、実際どのようにたったひとりの「ワガママ」を見つけ、受け止め、地域の人や団体との関わりにつなげているのかを、より具体的にご覧いただけます。

特に、次のような問いに関心がある方におすすめです。

・相談や制度につながっていない人と、どう接点をつくるのか
・本人の「やってみたい」を、どのように地域の実践につなげるのか
・地域の人を“お手伝い”ではなく、一緒につくる仲間として巻き込むには何が必要か
・福祉や支援の現場で、本人の願いに伴走するとはどういうことか
・参加支援や社会的処方を、地域の中でどう実践していけるのか

▼ アーカイブ動画はこちら▼

福祉・医療・地域活動の現場で、
「今の関わり方だけでは届ききらない」「何か変えたいけれど、次の一歩が見えない」と感じている方にとって、
柏ワガママLabの実践は大きなヒントになるはずです。

関連資料・お問い合わせ

柏ワガママLabの実践を、さらに詳しく知りたい方に向けて、
冊子ダウンロードと個別相談の窓口をご用意しています。
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