
「高校生の“やってみたい”が世界につながるまで」―App‑In Club日本代表・柴さんの“ワガママ”に迫る
▼概要
今回のワガママラジオでは、茨城県の高校3年生・柴 陽菜乃さんをゲストにお迎えしました。ワガママLabやJapan Wagamama Awardsへの参加をきっかけに、「App‑In Club」日本チャプター代表にまで成長した彼女。
対話を通じて見えてきたのは、「理想」を追いかけることをあきらめず、楽しんで取り組む高校生の姿でした。
谷津:たったひとりのワガママが社会を動かす「ワガママラジオ」パーソナリティの谷津です。東京を拠点に、株式会社IRODORIを運営し、地域や学校、企業と一緒に、社会をちょっと良くするアイデアを形にする活動をしています。
永井:パーソナリティ2人目、同じくIRODORIの永井です。ワガママLabのエグゼクティブディレクターとして、10代のみんなと一緒に、“ワガママ”をアプリで解決する取り組みなどを行っています。私たちは、「日々の暮らしの中で諦めたり我慢していること」「本当はこうなったらいいなと思っているけれど秘めている願い」を“ワガママ”と呼んでいます。
谷津:さて、今日はゲスト回です。茨城県立鉾田第一高等学校3年生の柴 陽菜乃さんをお迎えしてお届けします。まずは自己紹介をお願いします。
柴:茨城県の高校3年生、柴陽菜乃です。英語や海外が大好きで、映画鑑賞が趣味です。『インセプション』や『インターステラー』が特に好きです。
谷津:柴さんは「Japan Wagamama Awards」のファイナリストで、さらに「App‑In Club」という、7歳から22歳が世界中でアプリを開発し社会を良くしようとする団体の日本チャプター代表を務めているんですよね。
永井:その肩書きとは思えない、すごく文系っぽい自己紹介がよかったですね(笑)。
谷津:良いですよね。今日のトークテーマは「高校生のやってみたいが世界につながるまで」と決めました。永井さん、どうですか?
永井:柴さんにぴったりだと思いました!
「アプリが作れる?」から始まった、探究の旅

谷津:僕らが柴さんと出会ったのは、ワガママLabが鉾田第一高等学校で探究の授業を年間で設計・運営している関係からなんですよね。授業の後に、海外に興味がある子がいるよと、先生の紹介で知り合いました。あの時からこうなるとは想像できなかったですね。
柴:本当にそう思います。
谷津:あの時は何を話したか覚えていませんが、ただ強烈に「わぁ、すごく前向きな人がいる!嬉しい!」と思いましたね
永井:しかも賢い子だと思いました!
谷津:授業の中でワガママLabのプログラムも行いましたが、柴さんにとって、ワガママLabやジャパンワガママアワードはどんな経験でしたか?
柴:最初はアプリを作るなんて全く想像できませんでした。体育館で知らない人が来て「アプリが作れる」と言っているな…って(笑)。でも実際に触れてみると意外と面白くて、イメージが変わりました。探究のプログラムは本当に良かったです。
谷津:探究の授業の時は、どんな課題に取り組んだんですか?
柴: チームに、小学校の先生をしているお母さんがいる子がいて、日々の大変さを知っていました。それを聞いて何か良くできないかなというところでチームのみんなで話し合いました。その結果、小学生が本を読んで、それを記録できて、友達に紹介できて、先生もこの子が何冊読んだかデータで確認できる状態にすれば、小学生も本を読むようになるし、先生方も仕事の負担が増えないから良いんじゃないかと考えて、そのアプリを開発しました。
谷津: めちゃくちゃ良いね!
永井: そんな背景があったんですね!最初の自己紹介からは想像がつかないくらい、すごく考えられたアプリですね。
谷津: しかも、そのメンバーのお母さんという、たった一人の「ワガママ」から小学生の読書という広がり方がまた素晴らしいですよね。そこまで広がっていくんだなと思って、僕はすごく嬉しいというか、本当に探求の本質だなと思いながら聞いていました。
世界とつながる“やってみたい”の連鎖

谷津:Japan Wagamama Awards2025で出会ったのが、App‑In Club創設者のトニーさんですね。実際に少し解説すると、ジャパンワガママアワードは今年の2月に開催されたのですが、審査員ではなく特別ゲストとして、アメリカの当時高校生だったトニーさんが来てくれました。彼が取り組んでいる先ほど説明したApp-In Clubの紹介を、彼は英語しか話せないので英語で話してくれて。柴さんも英語を学んでいて英会話をしっかり身につけたいということで、その後かなり色々と話をしていましたよね。
柴:はい。自分たちのアイデアで社会に働きかけている同世代の姿に衝撃を受けて、「私もこんなふうに世界と関わってみたい」と思いました。
永井:最初はアプリ作成に興味がなかったのに、トニーさんとの出会いから日本チャプター立ち上げにまでつながったんですね。
柴:はい。茨城の田舎でも世界と関われることが嬉しくて、日本各地の私のように海外に興味があるとか、英語に興味がある高校生や中学生に広めていきたいという気持ちで頑張っています。
永井:本当に嬉しい。私たちも「地元から世界へ」をテーマに活動してきたので、柴さんの言葉を聞けて嬉しいです。日本チャプターには独自のコンセプトがあるんですよね?
柴:日本チャプターでは、アプリ開発はあくまで世界と繋がる手段と捉えています。自分たちのアプリを海外と共有したりして、英語で海外の同世代とやり取りできる経験を作りたい、という目標で頑張っています。
永井:めっちゃ良いですね!アプリを作りたいという人も大歓迎だと思うけれど、コミュニケーションツールになるんですよね。
柴:そうですね。アプリ開発がメインというよりは、アプリ開発を通してそこから世界とどう繋がっていくか、というところに重点を置いていきたいと思っています。
谷津:直近だと9月くらいにカナダとかのチャプターの人たちと交流しようか、みたいな話もあるもんね。
柴:はい、トニーと日本支部からアプリのプレゼンをしてみるのはどうかという話を進めています。
“理想”から始まる、次のチャレンジ

谷津:App-In Clubの日本版チャプターのこれからについて想像することもあると思うんですけど、どんなことをしていきたいですか?
柴:App-In Clubってすごい規模が大きい学生団体なので、世界各国に支部があって、それで支部内で作ったお互いのアプリを競い合う、ではないですけど、そういう大会みたいなのもやってみたいな。
永井:自分たちでやる大会っていうのはすごく面白そうですね。それでしかできない企画になりそうだなと思うので、それは面白いですね。応援しています!
谷津:ちなみに、中学生の参加も増やしていきたいそうですね?
柴:はい。今は高校生が中心ですが、もっと若い世代にもこの体験を届けたいです。
谷津: App-In Clubのコミュニティの中では、高校生たちはちょっとオールドなんだ。高校生がオールドってどんな世界だよって感じですよね(笑)。なるほどね、非常にこれから未来を感じる活動だなと思うんですけど、柴さんにとって「ワガママ」とは何ですか?
柴:理想、ですね。こうなったらいいな、というか、でも実際すぐに自分では叶えられないもの、なのかなと思います。
谷津:まさに“秘めた願い”ですね。実は英語でワガママを説明するとき、直訳の「Selfish」ではなく、永井さんの考えた「Hidden Desire」と訳しているんですよね。
永井:はい。実はJapan Wagamama Awards2025のキャッチコピーは、柴さんを思い浮かべながら書いたんです。「こうなったらいいなへ、ほんの少しだけ近づいた未来の自分に会いに行こう」。サイトのオープン前に見てもらったの覚えてますか?
柴:はい、覚えてます。
永井:本当に柴さんはワガママLabの世界観を体現してくれている存在です。
おわりに─未来の自分に会いに行こう

谷津:最後に、ラジオを聞いている中高生に向けてメッセージをお願いします。
柴:学校という世界はとても狭く感じられるけど、実際の世界はとても広いです。今の私は、中学生の頃には想像もできなかった未来を生きています。だから、予想できない未来を楽しんでください。
永井:App‑In Club日本チャプターに参加したい場合はどうすればいいんですか?
柴:はい。窓口として、 Instagramのアカウントを公開しますので、そちらからお問合せください。
谷津:着々と進んでいますね。次はぜひ、パーソナリティとしてまた出てくださいね!ありがとうございました!
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