三重県桑名市の親子16組が、地域の課題を解決するアプリづくりに挑戦!【ワガママLab体験会レポート】
地域の課題解決に挑戦するデジタル人材育成プログラム「ワガママLab」の体験会を、2023年1月21日と22日に三重県桑名市で開催しました。
デジタル人材育成の取り組みとして、桑名市とModis株式会社と連携して企画。小学4年生から中学生を対象にワガママLabの1dayワークショップを実施し、2日間開催して合計16組の親子にご参加いただきました。
今回は当日の様子をレポートしたいと思います。
桑名市をちょっと良くするスマートフォンアプリをつくる
ワガママLabでは、地域で暮らす人たちのワガママを叶えるアプリをつくるプログラムです。「誰の困りごとを解決したいか」を考え、人の役に立つアプリをつくります。
世界の人口は78億人。世界で流通しているスマートフォンの数は2021年時点で40億台と言われています。ほとんどの大人たちが持つインフラのような存在となったスマートフォン。
今、海外ではスマートフォンを使って地域で暮らす人たちの困りごとを解決する若者たちの事例が増えています。
詳しく紹介している記事がこちら:
https://note.com/embed/notes/n0095d819c4a3
誰でも世の中を変えることができる。そんな可能性を子どもたちに伝えるところからプログラムがスタートしました。
集まってくれた子どもたちのほとんどがプログラミング未経験。アプリを作るのに使うのが、誰でも直感的にアプリが作れるソフトウェア「MIT APP Inventor(MITアップインベンター)」です。
全員がはじめてMIT APP Inventorを触るところからスタートですが、1日のワークショップで地域で暮らす人たちの困りごとを解決するアプリ制作まで行っていきます。
今回は体験版として、MIT APP Inentorのいくつかの機能をレクチャー。習ったことを活かして、誰かの困りごとを解決するアプリを3つつくりました。
一人暮らしのおじいちゃんおばあちゃんの困りごとを解決!
最初のテーマは「一人暮らしのおじいちゃん、おばあちゃんの困りごとを解決するアプリ」でした。
午前中に習った機能は、ボタンを押すと「通知が表示される」「文章を読み上げる」という2つの機能でした。これらの技術を使って、おじいちゃんやおばあちゃんの役に立つアプリを考えていきます。
まず、一人暮らしのおじいちゃんとおばあちゃんは、どんなことに困っているだろうと考えていきます。日々の生活をイメージし、どんな困難があるのか。どうしたら笑顔になるのかを想像して思い思いのかたちにしていきます。
つくったアプリをみんなに発表してもらいました。
「忘れ物が多くなるから、家を出かける時に鍵を閉めたかどうか、とか声をかけて確かめてくれるアプリ」
「耳が遠いおばあちゃんと話す時に使うアプリ。よく伝えることをボタンにして、テキストで表示されるようにした」
などなど。それぞれの発想でたくさんのアプリができました。シンプルな機能でも、誰かの笑顔をつくるために工夫をすると、できることが多いのだと感じる時間になりました。
はじめて作ったアプリに、子どもたちからはこんな感想が。
「難しそうだけれど、案外楽しかった」
「音の出るアプリでも誰かの役に立てることがわかった」
「本当は歩数計をつくりたかった。もっと学びたい」
難しそう、と少し後ろ向きだった子たちも夢中になって取り組んでいました。もっと、いろいろなことができるようになりたい、という声も聞こえてきました。
桑名市をはじめて訪れる観光客に役に立つアプリ
次は、桑名市を初めて訪れる観光客に役に立つアプリをつくります。
新たにレクチャーした機能は、ボタンを押すと「webページを呼び出す」というもの。全部で3つの機能を駆使して、20分間でアプリを作っていきます。
観光客といっても、どんな人を対象にするかは自由です。年齢や性別、どこから来たのか、何人で来ているのか、その人の興味関心によっても必要なアプリは全く変わります。
桑名市に初めて来る人は何が知りたいだろう?どんな体験をしたいだろう?どういうところに困るだろう?と。親子で考えて、つくったアプリを発表してもらいました。
「海外から来た家族向けに、桑名の美味しいものが食べられるようにつくったアプリです。美味しい飲食店を紹介したのと、よく使う日本語を言ってくれるボタンをつけました」
「車椅子で来ても楽しめるように、行きやすい場所を紹介したりタクシーもボタンひとつで呼べるアプリをつくりました」
「甘党の人のための、桑名市のおすすめのお土産を紹介したアプリです」
観光に来た人たちに楽しんで帰ってもらえるように。みんな工夫を凝らしてつくっていました。発表の時には桑名市のいいところ、すごいところを含めて誇らしげに話をしていたのが印象的でした。
保護者の皆さんからも、こんな感想をいただきました。
「わかりやすい。初めてで不安だったけれど、子どもは覚えるのが早い」
「最初、子どもの付き合いできたけれど自分が勉強になってよかった」
「簡単にスマホアプリを作れるので、家に帰っても試してみたい」
「今日学んだことをしっかり覚えて、桑名市の役に立ちたい」
そしていよいよ、最後のアプリをつくっていきます。
お父さんお母さんの困りごとを解決するアプリ
今日、学んできたことの集大成としてつくっていくのは「自分のお父さんやお母さんの困りごとを解決するアプリ」です。
子ども達の視点で、日々の暮らしの中でお父さんやお母さんが困っていること、こうなれば喜んでくれるかなということを考えていきました。
保護者の皆さんのアドバイスにも、さらに熱が入ります。
「お父さんが通勤をする時のための、乗り換えや渋滞情報が見れるアプリをつくりました。新幹線や在来線の乗換案内をわかりやすく掲載しました。ボタンを押すと、今日も頑張ってねという声が出ます」
「お母さんがよく料理のレシピに困っているから、たくさんアイディアが出るアプリを作りました。その日の気分によってボタンを押すと、違うレシピが出てきます」
「お母さんが、うちで飼っている犬に友達ができないことについてよく困っています。犬に友達ができるように犬も連れて行ける飲食店やドックラン、しつけ教室のリンクを入れました」
「僕がよく忘れ物をするから、お母さんがこまっています。学校へ行く前に見て、忘れ物とか朝の準備で忘れていることはないか教えてくれるアプリをつくりました」
「弟が宿題をしないので、朝のルーティンのアプリをつくりました。早起きができたら褒めてあげて、宿題もしようという声が出ます。アプリのアイコンをゲームアプリみたいにして、喜んで押してもらえるように工夫しました」
「お母さんが良い気分で過ごせるように、音楽が聞けるアプリをつくりました。集中したいとき、リラックスしたいとき、テンションを上げたいときのボタンを作って、違う曲を設定しています。ボタンを押すと”いつもありがとう”、”おつかれさま”、”がんばって”、という声が出ます」
子ども達の視点で見る、お父さんやお母さんの困りごと。それを解決するために一生懸命、考えてアプリをつくりました。
これまでは家族が困っていることを知っていても、どうしたら良いのかわからなかったけれど、アプリをつくることで貢献できる。それを体感したからか、1日を通じて子ども達の表情が少し自信が増したように感じました。
最後に、保護者の皆さんの感想を伺いました。
「すごい すべてがすごい」
「短時間でスピードが速い、それぞれの視点も違うし想像力がすごい」
「自分が覚える以上のことが息子が覚えている」
「軽い気持ちで来たけれど、想像以上にいろいろな勉強ができた。来てよかった」
「親がついていくことに必死、なんとか持ち帰って復習してものにしたい」
「たくさんの子どもに覚えてもらいたい。広めていただきたい」
今回のワガママLab体験会ではアプリをつくることを通じて、誰かのために学び、誰かのためにつくる楽しさも一緒に感じていただけたのではないかと思います。
ワガママLabではこうして地域で暮らす人たちのワガママを叶えることを通じて、地域の課題を解決するデジタル人材育成を推進していきます。
桑名市のワークショップにご参加の皆様、ありがとうございました。フォローアップのリンクもご共有いたします。
2023-1-21/22 桑名市ワークショップ参加者フォローページ2023年1月21日、22日に開催された「プログラミング体験教室~スマートフォンアプリを作ろう~」に参加された…onl.sc
ワガママLab関連記事はこちら
▼茨城県鉾田市で実施した「ほこたワガママLab」ページ
https://hokotawagamamalab.jp/
▼デジタル人材育成事業など
https://irodori-group.jp/projects/002/
wagamama Lab